昔の血圧基準「年齢+90」の話

1960年代、日本の医療現場では、最高血圧が「年齢+90」以下であれば、特に問題ないとされていました。例えば、60歳の人の場合、最高血圧が150までなら「正常」と見なされたのです。70歳なら160、80歳なら170までOKとされており、高齢になるほど緩やかな基準が使われていたのです。

当時は高血圧のリスクが今ほど明確ではなく、加齢とともに血圧がやや高くなるのは自然なことだと考えられていました。実際、その頃の生活習慣や平均寿命、食生活は今とは大きく異なります。脂肪の摂取量も少なく、塩分に注意する人も少なかった時代です。

しかし、その後の研究が進み、高血圧が脳卒中や心臓病の大きなリスク要因であることが明らかになりました。特に140以上あると将来の合併症リスクが高まるとされ、現在は「140未満/90未満」が成人の正常血圧の基準となっています。

今では高齢者でもなるべく血圧をコントロールすることが推奨されており、治療の考え方はずいぶん変わりました。昔の「年齢+90」というルールは、当時の医学の理解と時代背景を反映していると言えるでしょう。

もちろん、年齢とともに血圧の管理には柔軟性も必要ですが、健康寿命を延ばすためにも、日々の生活習慣や定期的な血圧測定が何より大切です。

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