エスカレーターの「左立ち、右空け」いつから始まったの?

東京の駅などで見かけるエスカレーターの「左に立って、右を空ける」習慣——実はそんなに昔からあったわけじゃない。このマナーが広がり始めたのは1990年代半ばごろのこと。特に東京の地下鉄や私鉄の駅を中心に、混雑をスムーズに乗り切るためのルールとして定着していった。

そもそもこの習慣、世界中ではあまり見られない。イギリスのロンドンなどでは逆に「右に立ち、左を空ける」ため、訪日外国人にとっては戸惑いの原因になることも。でも、東京では「急いでいる人のために道を譲る」という思いやりの文化が背景にあり、自然と形づくられたともいえる。

ただ最近では、安全面の観点から「エスカレーターは両足で立ち止まること」を呼びかける動きも強まっている。動く歩道と違い、片側に体重をかけるのは転倒のリスクにつながるためだ。東京メトロなどは「両側とも立ち止まり」を推奨し始めている。

つまり、1990年代に始まった「左立ち」も、時代とともに少しずつ変わってきている。今後は「立ち止まる」ことが新たなマナーになるかもしれない。都市の歩みが、また一歩、進んでいるのだ。

関連項目

詳細記事

関連トピック