「竹の秋」というやさしい風景
「竹の秋」と聞くと、秋を連想しがちですが、実はこれは春の季語。俳句の世界で使われており、季節の移ろいを感じさせる、とても繊細な表現です。
なぜ春なのに「秋」なのか? その理由は、竹の葉の変化にあります。毎年春から初夏にかけて、竹は古い葉を落とし、新しい若葉へと入れ替わります。その直前、枯れかけの葉がほんの少し黄色く色づく瞬間があります。まるで秋の落葉のように見えるその光景が、詩情を呼び、「竹の秋」と呼ばれるようになったのです。
竹の葉が変わる期間はごく短く、気づかないうちに過ぎ去ってしまうため、こうした自然のささやかな変化に目を向けることの大切さを思い出させます。昔の人は、そんな細やかな風景にも名前をつけ、言葉にすることで、季節と向き合っていたのかもしれません。
2024年の4月も、どこかの竹林で「竹の秋」が訪れていたことでしょう。都会の喧騒の中では見過ごされがちですが、ふと立ち止まって空を見上げれば、古い葉が風に揺れる音とともに、春の終わりを感じ取れるかもしれません。
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