「麦秋至」——初夏に訪れる麦の収穫の季節

2024年5月31日から始まる七十二候の一つ、「麦秋至(むぎのときいたる)」。この時期、田んぼでは黄金色に実った小麦の穂が風に揺れ、収穫のときを迎えます。「麦の秋」とも言い、秋とは名ばかりで、実は初夏の季語なんです。

昔の日本では、米だけでなく小麦も重要な糧食でした。この時期に収穫された小麦は、粉にしてもちやうどん、そして味噌や醤油の原料にも使われました。農家の人たちは「麦の秋」と呼んで、夏のはじまりとともにやってくるこの収穫に感謝を込めていました。

「秋」という字を使いますが、これは「実りの季節」という意味。だから、秋だけが「実り」ではないのです。自然のリズムに合わせて、春まきの小麦が実を結ぶこの時期に、大地の恵みを感じずにはいられません。

現代の都市生活では、小麦の収穫を目にすることは少ないかもしれません。でも、この七十二候に思いをはせれば、日々の食卓と自然とのつながりが、少し身近に感じられるかもしれません。

初夏の風の中、今まさに「麦秋至」という言葉が、静かに季節の移ろいを教えてくれています。

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