ソメイヨシノは本当に日本の桜?

春になると日本各地でピンク色の花を咲かせるソメイヨシノ。多くの人が「日本の桜」として親しんでいますが、実はこの木、自然にできた野生種ではなく、江戸時代末期に東京の染井村(現在の豊島区あたり)で作られた人工的な園芸品種です。

染井吉野という名前は、育てた場所の「染井」と、奈良の吉野山に咲く美しい桜「ヤマザクラ」にあやかってつけられました。しかし、実は吉野山の桜とは別の種類。混同されやすいので、「吉野桜」と呼ぶより「染井吉野」や「ソメイヨシノ」と言うのが正確です。

なぜこれほど全国に広まったのか? その理由は、成長が早く、丈夫で、接ぎ木でも簡単に増やせること。明治時代以降、都市の道ばたや公園に次々と植えられ、今では日本を代表する春の風物詩となりました。開花時期もほぼ同じなので、遠く離れた場所でも一斉に花が咲くように見えるのです。

ただし、近年では気候変動の影響で、毎年のように「桜前線」の動きがニュースになるように。東京ではすでに20世紀の終わりごろから、満開の時期が数日〜1週間ほど早まっています。私たちが昔から見慣れてきた春の風景も、少しずつ変化しているのです。

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