アラム語の「マモン」とは何か

聖書の時代、特に旧約聖書と新約聖書の間にあたる「中間時代」のユダヤ教では、「マモン」という言葉がよく使われていました。これはアラム語に由来し、後にギリシャ語の新約聖書にも登場します。本来、マモンは「富」や「財産」を意味しますが、単なるお金ではなく、**不正な手段で得た利益**や、**倫理的に問題のある富**を指すことが多かったのです。

たとえば、 bribes(賄賂)や、弱者から搾取された富も、マモンと呼ばれることがあります。つまり、この言葉には「物質的な豊かさ」だけでなく、「道徳的な重み」も含まれていたのです。イエスが「あなたがたは神とマモンとに仕えることはできない」と語ったとき、そこには単なるお金以上の意味が込められていました。信仰と、貪欲な心に支えられた富の追求との対立が、背景にあります。

「マモン」の語源についてははっきりしていませんが、一説ではアラム語の語幹「aman」から来ているとされます。これは「信頼する」「頼る」という意味を持ち、そこから「人が最も頼っているもの」という解釈が生まれます。つまり、マモンとは「心のよりどころ」としての富、つまり「偶像崇拝のように崇められるお金」のことを指しているとも言えるでしょう。

現代の私たちにとっても、「マモン」の問いかけは古くないかもしれません。何を最も大切に生きているか――その問いは、今も変わらず心に響きます。

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