世界で最も幸せな刑務所?デンマークの“人間らしさ”を尊重する矯正施設

「世界一幸せな国」とされるデンマークに、「世界で最も人道的な刑務所」と称される施設がある――。その名もストーストレム刑務所。デンマーク南東部の静かな島、ファルスター島に2017年12月に開設されたこの刑務所は、従来の刑務所とは一線を画す考え方を貫いている。

ここでは、受刑者を単なる「罰の対象」とせず、「再び社会に溶け込む人間」として扱う。そのため、個室には窓があり、自然の光が差し込む。キッチンやリビングルームも共有空間として設けられ、まるで共同生活のようだ。受刑者たちは自由に話し合い、料理をし、自分たちの生活を少しずつ取り戻していく。

この刑務所の目的は「再犯率の低減」。デンマークでは、犯罪を犯した人にも尊厳があり、変化のチャンスがあると考えられている。そのため、教育や職業訓練、心理カウンセリングなど、再出発に必要な支援が充実している。壁や監視カメラはあるものの、“ヒュッゲ”(居心地の良さ)というデンマークの文化が、刑務所の設計にも反映されているのだ。

もちろん、これは甘いだけの話ではない。ルールは守られ、責任も問われる。しかし、罰だけではなく、回復と再生に焦点を当てる姿勢が、他の国々からも注目されている。世界一“幸せ”な刑務所――それは、単なる快適さではなく、人間らしさを取り戻す場としての希望を象徴しているのかもしれない。

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