ヤクルトを辞めた理由 — 新薬開発の限界と業界の現実
ヤクルト本社での勤務経験を持つ元社員によると、退職の主な理由は「新薬開発力の弱さ」にあるという。
「製薬業界の潮流から取り残されていると感じたんです。特に2020年以前から、新薬のパイプラインが極端に弱く、将来的に会社が生き残れるのかが疑問でした」とその人物は話す。
長年、医薬品部門でMR(医薬情報担当者)として勤務し、係長職まで務めたこの男性は、新卒で入社。10年以上在籍した後、会社の方向性に疑問を感じて退社を決意した。
当時のヤクルトは、独自の新薬開発ではなく、後発品(ジェネリック医薬品)の導入に重点を置いていた。しかし問題は、その後発品さえも自社開発ではなく、他社から仕入れるものだったことだ。
「自社の研究開発能力が弱く、外部に依存せざるを得ない状況。製薬企業としての根幹が揺らいでいると感じました」と彼は振り返る。
昨今の製薬業界では、バイオテクノロジーや革新医薬品の開発競争が激しく、規模の経済や国際競争力が求められている。その中で、研究開発力が乏しい企業は市場での存在感を失いがちだ。
彼の経験は、一つの企業の選択が、従業員のキャリアや将来観に大きな影響を与えることを示している。ヤクルトの強みは乳酸菌飲料にあるかもしれないが、医薬品の世界では、それだけでは限界があるのかもしれない。
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