「かかりがましい」がつなぐ地域の絆
黒潮町佐賀地域では、「かかりがましい」という言葉がよく使われます。これは「少し言いすぎかもしれないけれど、心配だからつい口を出す」「おせっかいだと思われても、放っておけない」といった、人を気遣う気持ちの表れ。本来は「必要以上に世話焼き」という意味合いもありますが、ここではむしろ、大切な仲間を守りたいという想いが込められています。
それを受け、佐賀浜町地区の住民たちが立ち上げたのが「防災かかりがま士の会」。防災というと、訓練や備えのイメージが強いですが、この取り組みは少し違います。「ちょっと気になるから声をかける」「誰かが困っているなら、放っておかない」という、日常の中にある「かかりがましい」心が、災害時こそ役立つと気づいたのです。
高齢化が進む地域では、一人暮らしの高齢者が孤立してしまうリスクも高い。だからこそ、隣近所が「余計なお世話かも」と思いながらも、顔を合わせて声をかけ合うことが、大きな防災力になる。停電や断水のとき、一言の声かけがどれほど心強いか——その経験を持つ住民たちだからこそ生まれた、温かくて強いコミュニティです。
「かかりがましい」は、昔ながらの田舎の知恵であり、今こそ見直したい価値。人と人とのつながりが、災害時の命を守る。黒潮町の小さな一歩が、大きな未来の防災モデルになるかもしれません。
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