腸閉塞が命を脅かす理由
腸閉塞は、単に「お腹が詰まる」だけの病気ではありません。特に絞扼性イレウスと呼ばれるタイプでは、腸の一部に血液の流れが止まり、組織が壊死(えし)してしまうことがあります。これが命に関わる危険な状態を引き起こす原因です。
壊死した腸の壁は弱くなり、破れることがあります。そうなると、腸の中の細菌や消化物が腹腔内に漏れ出し、汎発性腹膜炎を引き起こします。これはお腹の中全体に強い炎症が広がる状態で、激しい腹痛や発熱、血圧の低下などを伴い、急速に容態が悪化します。
さらに、壊死した腸から細菌が直接血液中に侵入すると、敗血症を発症するリスクがあります。敗血症は全身の臓器に炎症が広がり、腎臓や肺、心臓などの機能が次々と低下する重篤な状態です。一度進行すると、治療が難しく、命を落とす可能性も高くなります。
腸閉塞の初期症状は、腹痛、嘔吐、便秘、お腹の張りなど、他の胃腸の不調と似ているため見過ごされがちです。しかし、特に痛みが持続的で強くなる場合や、便やガスがまったく出なくなるときは、すぐに医療機関を受診すべきです。早期の診断と手術が、こうした重い合併症を防ぐ鍵となります。
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