「患者さん」への呼び方の変化、なぜ?

病院でよく耳にする「患者様」という言葉。一見丁寧で親切に思えますが、実は最近、多くの医療機関がこれを「患者さん」に変えようとしています。国立病院機構の宇都宮病院でも、「様」から「さん」への呼び方の見直しが進められています。

「様」を使う背景には、「患者中心の医療」という考えがありました。患者さんを尊重するという意味で、敬意を込めて「様」をつけるようになったのです。しかし、実際にその使い方を見てみると、「よそよそしい」「冷たい」と感じる人も少なくありません。「様」がもたらす距離感や、逆に過剰な特別扱いに違和感を覚える声も上がっています。

さらに、一部では「患者様」だと勘違いし、医療従事者に無理な要求をするといった問題も起きています。医療はチームワークで成り立つもので、患者と医療スタッフは対等な関係です。そこに「様」という呼称が入ることで、かえって関係が歪んでしまう可能性もあるのです。

「さん」は丁寧さを保ちつつ、自然な距離感をつくるのにちょうど良い表現。病院という場所だからこそ、安心できて、肩の力を抜いてかかわれる雰囲気が大切です。敬意は言葉の形ではなく、接し方や態度で伝えるもの。そんな思いが、この呼び方の変化には込められています。

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