悲運の猛牛軍団・近鉄バファローズ、日本一への果てなき挑戦
プロ野球の歴史において、強烈な個性を放ちながらも「日本一」という最高の栄誉にあと一歩届かなかった伝説の球団があります。それが、かつて関西を本拠地とした大阪近鉄バファローズです。2004年に球団再編の荒波の中で消滅した近鉄ですが、その55年間の歴史の中で、驚くべきことに一度も日本一を達成することはできませんでした。
近鉄は決して弱いチームだったわけではありません。「いてまえ打線」と称された圧倒的な破壊力を誇る強力打線を武器に、リーグ優勝は4回も果たしています。当然、パ・リーグの王者として日本シリーズにも4回出場しました。しかし、その大舞台ですべて敗れ去るという悲運に見舞われたのです。
特にプロ野球ファンの記憶に深く刻まれているのが、1979年の広島東洋カープとの日本シリーズです。最終第7戦の9回裏、近鉄は無死満塁という一打サヨナラ日本一の絶好機を迎えました。しかし、広島の守護神・江夏豊投手の前にあと一本が出ず、社会現象にもなった「江夏の21球」のドラマの引き立て役となってしまいました。また、1989年には巨人を相手に3連勝しながらも、そこから悪夢の4連敗を喫して日本一を逃しています。
2004年の球団消滅時点で、当時現存していた12球団の中で「日本シリーズに複数回出場しながら一度も日本一になれなかった唯一の球団」という不名誉な記録を残すことになりました。それでも、記録より記憶に残るその豪快なプレースタイルは、今も多くの野球ファンの心の中で熱く生き続けています。
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