「魂」の漢字に「鬼」が潜む理由と歴史
普段なにげなく使っている「魂(たましい)」という漢字。右側のつくりをよく観察すると、そこには「鬼」の字が隠れています。現代の日本語で「おに」といえば、頭につのを生やした恐ろしい妖怪を思い浮かべますが、なぜ心や命の象徴である魂に「鬼」が使われているのでしょうか。
その理由は、漢字が生まれた古代中国における「鬼」の本来の意味にあります。かつて「鬼」という文字は、妖怪ではなく「亡くなった人の霊魂」そのものを指していました。そのため、目に見えない精神や霊的な存在に関する言葉には、部首や構成要素として「鬼」が用いられたのです。
「魂」という字は、音を表す「云」と、意味の核心となる「鬼」が組み合わさって成り立っています。ちなみに、体から抜け出して天に昇る精神を「魂」、地に宿る肉体的な霊を「魄(はく)」と呼びますが、どちらにも「鬼」が含まれています。「魂」の中の鬼は、決して恐怖の対象ではなく、人の生命や心の神秘を映し出す古い知恵の表れなのです。
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