結論から言うと、quarterの複数形はシンプルにquartersです。語尾に「s」を付けるだけの規則変化ですが、この単語は日常会話からビジネス、金融、さらにはスポーツや学術的な場面まで、使われるコンテクストが恐ろしく広いのが特徴です。単に「4分の1」と訳すだけでは、ネイティブスピーカーの実践的なニュアンスを見落としてしまいます。なぜなら、quarterが指す「枠組み」によって、複数形にした際の数え方や捉え方が劇的に変化するからです。まずは基本の形を頭に叩き込みましょう。

数値データと統計で見る「quarters」の出現頻度

コーパス言語学のデータによれば、quarterという名詞が複数形「quarters」として使われる割合は、書き言葉において約42%に達します。これは他の一般的な名詞(例えばappleやbookなど、複数形が3割未満に留まるもの)と比べて非常に高い数値です。その最大の要因は、ビジネスシーンにおける「四半期(第1四半期〜第4四半期)」の存在にあります。企業の決算報告や経済指標の発表では、「three quarters(3つの四半期、つまり9ヶ月間)」や「consecutive quarters(四半期連続)」といった表現が頻繁に飛び交います。また、アメリカの25セント硬貨(通称クォーター)も、日常の少額決済で複数枚の硬貨を指すために「quarters」の形で頻出します。1ドルを両替した際に手元に残る「4枚の25セント硬貨」を指す表現などは、まさにこの複数形の独壇場と言えるでしょう。

状況に応じた表現の比較:ただの「s」ではない使い分け

複数形「quarters」を扱う際、最も重要になるのが「物理的な分割」と「概念的な分割」の比較です。例えば、1枚のピザを4等分したうちの3つのピースを指す場合、three quarters of a pizzaと表現します。ここでは物理的に切り分けられた個々のピースが「複数」存在しているため、自然とsが必要になります。一方で、アメリカのコインとしての25セント硬貨を比較してみましょう。「I have three quarters.」と言えば、ポケットの中に物理的に25セント硬貨が3枚(計75セント分)あることを意味します。しかし、単に「75セントの価値」を言いたいだけであれば、単位としての「75 cents」を使うのが一般的です。さらに、大学の「3学期制(quarter system)」における「複数学期」を指す場合や、アパートなどの「宿舎・住居(living quarters)」を指す場合など、同じ複数形でも全く異なる意味世界が広がっています。特に住居を意味する「quarters」は、常に複数形で使われる名詞(常時複数)としての特殊な性質を持っています。

ここに注意!「quarters」の誤用が招く致命的な誤解

複数形「quarters」を扱う上で、初心者が最も陥りやすい罠が「主述の一致(Subject-Verb Agreement)」です。例えば、「Three quarters of the earth's surface is covered with water.(地球の表面の4分の3は水で覆われている)」という一文を見てみましょう。主語の一部に複数形の「quarters」が含まれているため、つられて動詞を「are」にしてしまうミスが後を絶ちません。しかし、この場合の主語の本質は「surface(単数形)」であるため、動詞は「is」で受けるのが正解です。逆に、「Three quarters of the students are...」のように、後ろに続く名詞が複数形(students)であれば、動詞も「are」になります。この区別を怠ると、ビジネスメールや論文において一気に教養を疑われる致命的なエラーとなり得ます。また、前述した「living quarters(住居)」を単数のつもりで「a living quarter」と書いてしまうのも典型的な間違いです。この意味で使用する際は、常に「quarters」と複数形にしなければ言葉として成立しません。