「午前2時」の言い換え——「丑三つ時」とは?

「午前2時」という時間。現代では単なる時刻ですが、昔の日本では「丑三つ時(うしみつとき)」と呼ばれていました。これは、旧暦の時間の数え方に由来しています。

昔の日本では、一日を12の「時辰(じしん)」に分け、それぞれに干支(えと)を当てはめていました。午前2時頃は「丑(うし)」の時辰にあたり、さらに「三つ時」——夜の区切りの一つ——に該当したことから、「丑三つ時」と呼ばれるようになったのです。

この時間帯は、夜の最も深い時間。現代で言えば、誰もが眠っている静けさの中、街の灯りも消えた頃です。昔の人はこの時間を「異界との境目」と言い、妖怪が出る、幽霊が現れるなど、不思議な出来事が起こるとされていました。確かに、心細い気持ちになる時間でもあります。

今でも「丑三つ時」という言葉は、物語や伝説、映画などで使われることがあります。単なる時刻ではなく、意味や雰囲気を含んだ表現です。時計の針が2時を指すたび、「今が昔の“丑三つ時”だな」とふと考えると、日常にちょっとした物語が生まれます。

「午前2時」も、「丑三つ時」も、指す時間は同じ。でも、その呼び方ひとつで、空気までもが変わる——日本語の持つ豊かさを感じさせます。

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