銀座の景観を形作った「31メートル制限」とは?

東京・銀座を歩くと、どこか落ち着いた高さの建物が並ぶ景観に気づくでしょう。その理由の一つが、「百尺(ひゃくしゃく)制限」と呼ばれる建築規制です。

大正8年(1919年)、当時の市街地建築物法によって、建築物の高さが100尺=約31メートルに制限されました。これは火災の延焼を防ぎ、日影の影響を抑える目的がありました。当時としては画期的な都市計画の取り組みで、特に銀座のような繁華街では、このルールが景観の統一に大きく貢献しました。

戦後もこの制限は長く続き、銀座四丁目交差点周辺には、三越(旧館)、和光、松屋など、いずれも31メートル前後の建物が並ぶようになりました。これらの建物は高すぎず、低すぎず、歩行者の目線に優しいバランスを生み出し、いまも銀座の洗練された街並みの特徴となっています。

実は、この高さ制限は1963年に廃止されましたが、銀座の多くのビルは伝統的な景観を守るよう、今も自発的に高さを調整しています。現代の高層ビル群に囲まれても、なぜか落ち着く銀座の街並みの理由——それは、昔のルールが今も息づいているからかもしれません。

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