アスパラガスの漢字名「竜髭菜」の由来

スーパーで見かけるアスパラガスですが、実は漢字で書くと「竜髭菜」(りゅうしゅさい)と表されます。一見すると、まるで幻想的な植物のような名前ですが、その由来には興味深い背景があります。

この名前は、中国の東北地方、つまり旧満州で使われていた俗名を採用したものです。当時、地元ではアスパラガスの細くて長いまっすぐな茎が、竜のひげに似ていることから「龍鬚菜」と呼んでいました。「鬚」は「ひげ」の意味で、「龍のひげのようないいもの」というイメージが込められています。日本語では「髭」とも書かれ、同じ意味です。

この呼称を、20世紀初頭に日本の植物学者・矢部 勝臣氏が参考にしたとされています。彼は当時の文献や現地の呼び名を調査し、「俗語」として記録されていたこの名前を、和漢名称として正式に取り入れたのです。つまり、「竜髭菜」は学術的な造語ではなく、民間で使われていた愛称が定着した珍しいケースと言えるでしょう。

今ではあまり知られていませんが、この名前には異国での発見や、人々の豊かな想像力が込められています。次にアスパラガスを食べるとき、その一筋一筋がまるで竜のひげのように見えるかもしれませんね。

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