インドの伝統的な額の装飾「ティカ」と「ビンディ」
インドを象徴する視覚のひとつが、額の中央につける赤い印です。これはティカまたはビンディと呼ばれ、もともとは「ティラック」と呼ばれていました。もっぱらヒンドゥー教の儀式の際に額に塗られる聖印で、神からの祝福や守護を意味しています。
特に既婚女性が額の中央、眉の間に赤い円を描くのは、夫の長寿や家庭の幸福を願う伝統の一環です。この赤いティカは儀式の際に神から授けられることも多く、神聖な場所に触れるとされる額を清らかに保つ役割も持っています。
一方、現代ではビンディがファッションとして進化し、さまざまな色やデザインのシール状のものが使われることも珍しくありません。しかし、その起源は宗教的で、単なる装飾ではなく、精神性や身分、結婚状況を表す印として長くインド社会に根付いてきました。
『大インド展 ヒンドゥー世界の神と人 特別展』でも触れられていますが、こうした小さな印ひとつに、インドの信仰や文化の深さが凝縮されているのです。
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