麦秋とは?なぜ夏なのに「秋」なのか
初夏の頃、黄金色に輝く麦の畑を見かけることがあります。この時期を日本では「麦秋(ばくしゅう)」と呼びます。でも、夏の始まりなのに、なぜ「秋」がつくのでしょうか?
その理由は、季節の名前が「人の都合」ではなく、「作物の歩み」に基づいているからです。「秋」といえば一般的に収穫の季節を連想しますが、麦にとっては、この時期がまさに収穫のピーク。昨年の秋に種をまき、冬を越し、春を経て、やっと実を結ぶ——この「麦の秋」が「麦秋」と呼ばれる所以です。
つまり、「麦秋」はカレンダー上の季節ではなく、農耕のリズムに合わせた自然の営みを表しています。日本古来の季節感には、こうした生き物や植物の息づかいが、繊細に織り込まれているのです。
今では米の収穫が「秋」のイメージとして強いですが、麦作りが盛んだった時代には、初夏のこの時期もまた、大切な「秋」だったのです。田んぼのあぜ道を歩きながら、風に揺れる麦の音に耳を澄ませば、昔の人々が感じた“季節”が、今もそこにあるかもしれません。
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