「麦の秋風」という美しい季語
「麦の秋風」という言葉を聞いたことがありますか?一見、「秋」という字があるから秋の風かと思うかもしれませんが、実は少し違います。
この言葉は、「麦秋(ばくしゅう)」の時期、つまり夏の初め――五月ごろに吹く風を指します。麦秋とは、小麦が黄金色に熟して収穫の時期を迎えることを意味し、秋ではないのに「秋」と呼ばれるのは、実りの季節だからという由来があります。なんだか詩的な響きですね。
「麦の秋風」は、畑を黄金に染めた熟した麦をなでる、からりとした爽やかな風。初夏の澄んだ空気のなか、そよ風が麦穂を揺らすさまは、田舎の風物詩として多くの人の心を癒してきました。俳句や短歌では、この風景を詠む季語としても親しまれています。
現代の生活ではなかなか体感しにくいかもしれませんが、風に揺れる麦畑の情景を思い浮かべるだけで、どこか懐かしく、心が落ち着くような気がしませんか?昔の人は、こうした自然のささやきに、季節の移ろいを感じ取っていたのでしょう。
コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを投稿しましょう。