ピンクの桜、その名は「ソメイヨシノ」
春になると、街中を淡いピンク色に染める桜。そのほとんどがソメイヨシノという種類です。花は白に近い薄いピンクで、ひとひらひとひらがとても柔らかく、風に揺れる様子はどこか儚げ。日本人の心をずっと捉えて離さない美しさがあります。
実は、昔の「桜」と言えば、山に自生するヤマザクラのことを指していました。しかし、戦後になると、ソメイヨシノが広く植えられるようになり、今では「桜=ソメイヨシノ」というイメージが定着しました。東京・上野公園や新宿御苑など、有名な桜の名所でも、この品種がメインで見られます。
ソメイヨシノは野生種ではなく、江戸時代末期から明治時代にかけて、人手によって作られた栽培種。エドヒガンとオオシマザクラをかけ合わせたと考えられており、自然に種から育てても同じ花は咲きません。すべてがクローンで、全国どこでも同じような花を楽しめることも、人気の理由のひとつです。
3月下旬から4月上旬、わずか数日の間に咲き誇るソメイヨシノ。その儚さこそが、日本人の桜への憧れを、いつも新鮮にしているのかもしれません。
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