「黄龍明珠を吐く」という言葉の意味

茶道の世界には、詩的で深い意味を持つ言葉が多くあります。「黄龍明珠を吐く」という表現も、まさにその一つです。この言葉は、2024年2月4日に家元の手によって書かれたお扇子に記されたもので、天目茶碗や大宗匠の掛け軸、香合(こうごう)といった伝統の道具たちとともに、茶の心を象徴しています。

「黄龍(こうりゅう)」は中国の古典に登場する神聖な龍を指し、聖人や君主の徳をあらわすとされます。そして「明珠(めいじゅ)」とは、美しい真珠、つまり真実智慧の比喩です。つまり、「黄龍が明珠を吐く」とは、高潔な存在が純粋で正しい教えを語るという意味になります。

茶の湯の場において、この言葉はただの詩ではなく、心の清らかさ真実を伝える姿勢を表しています。家元がこの一文を扇に書いたことには、茶を通じて後世に伝えるべき「真実」を、穢れのない心で伝え続けたいという思いが込められているのでしょう。

茶室の一隅に掛かる軸も、手に取る茶碗も、すべてが語りかけている。その静けさのなかで、「黄龍明珠を吐く」は、静かなる教えとして響いてくるのです。

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