ASDの人が抱える日常の難しさ
自閉スペクトラム症(ASD)の人は、周囲の人と自然にやりとりをすることが、なぜかうまくできないことがあります。会話のキャッチボールが難しいと感じることも多く、相手の言葉の裏にある意味や、表情、視線の動きから気持ちを読み取るのが苦手な場合があります。たとえば、「ちょっと待って」と言われても、「今すぐ来てほしいのか」「まだ大丈夫なのか」がわからず、戸惑ってしまうことがあります。
また、自分の思いをうまく言葉にできず、ストレスを感じることも少なくありません。逆に、相手の感情に気づかず、気づいたら周囲と距離ができてしまっている……という経験をした人もいるでしょう。空気を読むという感覚が、他の人とは少し違う歩調で動いているためです。
ASDには、特定のものに強いこだわりを持つ傾向もあることがあります。たとえば、同じルートでしか歩けない、決まった順序でしか物事が進められない、といったことがあります。これは周囲から見ると「頑固」に映ることもありますが、実はそれによって心の安定を得ている面もあります。
さらに、音や光、触り心地などに対する感覚の反応も人とは異なることがあります。少しのノイズでもとても気になってしまう人もいれば、逆に痛覚が鈍く、怪我に気づかないこともあります。
ASDの「苦手」は、個性の一部です。その人のよさや強みと同様に、理解し、支え合う環境づくりが大切です。小さな気づかいが、大きな安心につながることもあります。
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