アメリカの捕鯨とその用途

かつてアメリカは、マッコウクジラやセミクジラを主に捕獲していました。特にマッコウクジラからとれる「マッコウ油」は、当時非常に貴重な資源でした。

この油は、照明として大きな役割を果たしました。18世紀から19世紀にかけて、電気が普及する前まで、家庭の明かりや街灯、そして灯台にも使われていたのです。当時、ろうそくやその他照明に比べてマッコウ油は燃えやすく、明るい光を長時間得ることができたため、重宝されたのです。

また、捕鯨はアメリカ東海岸の町、特にナントーケットやニューベッドフォードなどで盛んでした。これらの地域は、捕鯨船の拠点となり、多くの人々が海へと旅立ち、遠洋での長期間の航海を行いました。捕鯨は単なる産業ではなく、当時のアメリカの経済や文化の一部でもあったのです。

マッコウクジラの他にも、セミクジラからはクジラ油やホエールボーン(鯨ひげ)が得られ、コルセットや傘の骨など、日用品の素材としても利用されました。

しかし、石油の発見や電気の普及により、クジラ油の需要は次第に減少。20世紀に入ると、捕鯨の意義も薄れ、アメリカの商業捕鯨は次第に姿を消していきました。今では環境意識の高まりから、多くの国が捕鯨に反対していますが、過去のアメリカにとってクジラは、現代でいう石油のような存在だったと言えるでしょう。

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