阪神タイガースの「アレ」に隠されたファンの心理
阪神タイガースのファンやメディアの間で、「優勝」という言葉が長年禁句とされていたことをご存知でしょうか。代わりに使われていたのが、流行語にもなった「アレ(A.R.E.)」という表現です。これには、阪神ファンならではの深い歴史と繊細な心理が関係しています。
大きな理由の一つは、過去の苦い失速の経験にあります。阪神タイガースは歴史的に、シーズン終盤まで首位を走りながらも、最後の最後で大逆転を許してしまう悲劇を何度も経験してきました。そのため、「優勝」と口にすることでチームにプレッシャーを与えてしまったり、流れが変わってしまったりすることを恐れる験担ぎ(げんかつぎ)の意識が強く働いたのです。
2023年に岡田彰布監督が就任した際、選手たちに余計なプレッシャーをかけないために公式に「アレ」と言い換えたことで、この暗黙のルールは一気に定着しました。ファンが「まだ分からん」と言葉を濁し、慎重に歓喜の瞬間を待つ姿は、チームを心から愛するがゆえの独自の応援文化と言えるでしょう。
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