日本を離れる外国人の方が気になる「再入国許可の料金」ですが、結論から言うと、1回限りの「シングル」が3,000円、何度でも往来できる「マルチプル」が6,000円です。この費用は現金ではなく、収入印紙で支払うルールになっています。「これだけ払えば安心」と思いがちですが、実は手続きのタイミングや、そもそも自分がこの手数料を払うべきなのかどうかを見極めないと、無駄な出費やトラブルを招くリスクが潜んでいます。

そもそも再入国許可とは?制度の根底にある罠

日本の在留資格を持つ外国籍の人が、一時的に母国へ帰省したり海外旅行に出かけたりする際、この許可を得ずに日本を出国してしまうと、今持っている大切な在留資格や在留期間がその時点で完全に消滅してしまいます。つまり、再び日本に戻ってくるには、もう一度ゼロから査証(ビザ)を申請し直さなければならないという大惨事になります。こうした事態を防ぐための命綱が「再入国許可」という制度です。

かつては出国するすべての外国人にこの手続きが義務付けられていましたが、現在は制度が緩和され、利便性が向上しました。しかし、その緩和の仕組みを正しく理解していないと、3,000円や6,000円という手数料を無駄に国に納めてしまうことになります。法務省の規定する「通常の再入国許可」と、のちに解説する「みなし再入国許可」の境界線を明確に引くことが、賢く生き抜くための大前提となります。

シングルかマルチか?3,000円と6,000円の損得勘定

手数料の選択肢は2つしかありません。一回限りの有効性を持つ「単数(シングル)」か、有効期間内であれば何回でも出入国を繰り返せる「数次(マルチプル)」かです。ここで重要なのは、あなたの今後のライフプランと現在の在留期間の残月数です。もし、在留期間が残り1年未満で、今回の一時帰国以外に海外へ行く予定が絶対にないのであれば、3,000円のシングルで十分事足ります。

一方で、ビジネスでの出張が頻繁にある方や、母国に何度も往復する予定がある場合は、間違いなく6,000円のマルチプルを選ぶべきです。なぜなら、毎回出入国のたびに入国管理局へ足を運び、3,000円を支払い続けるのは時間的にも経済的にも大損失だからです。ただし、マルチプルを希望しても、保有している在留期間を越えて許可が下りることはありません。在留期限が直近に迫っている場合は、手数料を支払う前に、まず在留期間更新許可申請を優先すべきケースが多々あります。

実務から見る注意点と「手数料免除」の真実

手続きの現場である出入国在留管理局(入管)では、手数料の支払い方法に厳格なルールがあります。窓口で現金を差し出しても絶対に受け取ってもらえません。必ず「手数料納付書」という専用の用紙に、該当金額分の収入印紙を貼り付けて提出する必要があります。この収入印紙は、入管局内にある郵便局や売店で購入するのが一般的ですが、混雑時には購入だけで長蛇の列に巻き込まれるため、事前に近くの郵便局で仕込んでおくのがプロの知恵です。

また、特殊なケースとして、外交や公用の在留資格を持つ人、あるいは日本政府が人道上の理由で受け入れている一部の滞在者などは、この手数料が免除される仕組みが存在します。自分が一般の就労ビザや配偶者ビザ、留学ビザである場合は例外なく満額の支払いが必要ですが、特殊な事情を持つ身分であるならば、申請前に窓口や専門の行政書士に確認を取ることで、余計な支出を完全に排除することができます。

注意すべき落とし穴と専門家のアドバイス

再入国許可を申請する際、最も多い失敗が有効期限の確認不足です。許可の期間は現在の在留期間を超えることはできません。また、手数料納付書に貼る収入印紙は、入国管理局内の売店等でも購入できますが、混雑を避けるため事前に郵便局などで用意しておくのが専門家としてのおすすめです。

よくある質問(FAQ)

Q1. みなし再入国許可の場合も手数料はかかりますか?

いいえ、出国後1年以内に再入国する(かつ在留期限内である)場合の「みなし再入国許可」は無料です。手数料がかかるのは、事前に中長期の出国のために通常の再入国許可を取得する場合のみです。

Q2. 手数料の支払いにクレジットカードは使えますか?

原則として、入国管理局の窓口での支払いは収入印紙のみとなります。現金やクレジットカードでの直接支払いはできませんので、必ず事前に収入印紙を購入してください。

Q3. 申請が不許可になった場合、手数料は返金されますか?

再入国許可の手数料は「許可が交付される際」に収入印紙で支払うため、万が一不許可になった場合に手数料を失うことはありません。申請段階では費用は発生しません。

編集部のまとめ

再入国許可の手数料は、シングル(一回限り)が3,000円、マルチ(数次)が6,000円と決まっています。1年以内に戻る予定なら無料の「みなし再入国」で十分ですが、長期間の海外滞在が見込まれる場合は、事前の通常申請が安心です。スケジュールと費用を正しく把握し、スムーズな手続きを行いましょう。