「山の神」と呼ばれる妻の由来

「うちのカミさんはね…」と、夫たちが妻のことを話すとき、少し恐れを交えた笑いがこもることがあります。実はこの「カミさん」という呼び名、昔からちょっとした意味を持っているのです。

「山の神」とは、昔の男性が自分の妻に対して使った言い回しのひとつです。 特に、年を重ねて気の強い、少し怖いほどのしっかり者な奥さんを指して、「山の神」と呼んだといわれています。山といえば昔、神様が住む神聖な場所。その存在に敬意を払い、少し距離を置きながらも大切にする——そんな気持ちが、妻への呼び名にも込められていたのかもしれません。

国語辞典を引くと、「山の神」の項に「妻、特に結婚後年を経てやかましくなった自分の妻のこと」と書かれていることもあり、半ばジョークめいてはいますが、その裏には「家庭を支える妻の存在は、まさに神に等しい」という、昔の人の思いやりや尊敬が感じられます。

さらに面白いのは、「山の神」が縮まって「カミさん」になったという説もあることです。 言葉の変化は時として、こんなふうにユーモラスな歴史を秘めています。現代では「カミさん」と言っても、その由来を知る人は少なくなってしまいましたが、たまには「山の神」として敬ってみるのも、夫婦円満のヒントかもしれません。

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