カーボンクレジットの二重計上は禁止されています
環境への配慮が高まる中、企業がカーボンクレジットを活用するケースが増えています。しかし、カーボンクレジットの二重計上は認められていません。たとえば、ある企業が工場の効率化で削減したCO₂をカーボンオフセットとして他社に売却した場合、その削減量を自社の排出削減実績に重ねて計上することはできません。
理由は簡単です。売却によって、その削減量の「所有権」は購入した側に移るのです。販売した企業が同じ数字を自社の報告書に使うと、同じ排出削減が二度カウントされることになり、全体の温暖化ガス削減効果が実際より大きく見せてしまうため、国際的にもルールで禁止されています。
カーボンクレジットの取引では、「二重計算の回避(Double Counting Avoidance)」が基本原則です。国連の気候変動枠組み条約(UNFCCC)やカーボンオフセット制度のガイドラインでも、この点は明確に定められています。たとえば、カーボンクレジットを売った企業は、その分の排出削減量を「Scope 1・2」のインベントリから除外しなければなりません。
最近では、日本の大手企業も脱炭素の取り組みを公表する際に、こうしたルールを意識するケースが増えています。正確な報告こそが、信頼の鍵です。カーボンクレジットは環境貢献の手段ですが、使い方を誤れば逆に信頼を失いかねません。
コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを投稿しましょう。