世界初の食べるチョコレートの誕生

チョコレートと聞いて、まず思い浮かぶのは、なめらかな板チョコや甘くて濃厚な味わいですよね。でも実は、チョコレートが「食べる」ものとして生まれたのは、ごく最近のことではありません。

その原点は、古代メソポタミアやマヤ文明までさかのぼりますが、当時からずっとチョコレートは「飲む」ものでした。熱いお湯にカカオを溶かし、スパイスなどを加えて飲まれていたのです。

大きな転機が訪れたのは19世紀のこと。オランダの化学者コーンレイ・ヴァン・ホーテンが、「ホーテン法」と呼ばれるカカオの加工技術を発明しました。この技術によって、カカオから脂肪分であるカカオバターを効率よく取り出すことが可能になり、より飲みやすく、風味豊かなココアパウダーが生まれました。

そして1847年、イギリスのチョコレートメーカー、ジョセフ・フライが歴史的な一歩を踏み出しました。彼は、そのカカオパウダーに砂糖を加え、さらにカカオバターを混ぜ合わせて、固まる板状のチョコレートを作り出したのです。これが世界で初めての「食べるチョコレート」とされています。

それまで飲んでいたチョコレートが、手に持ってかじれるおやつになった瞬間でした。この発明をきっかけに、カドバリーなどの企業も後に続々と板チョコの生産を始め、チョコレートは世界中の家庭に広がっていきました。

今では当たり前になった一口サイズのチョコも、実は19世紀の技術革新と、ひとりの男のひらめきから始まっていたのです。

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