日本のキムチはなぜ“発酵しない”のか?
韓国の伝統的なキムチは、キャベツや大根に唐辛子やニンニクなどを混ぜ、数日から数週間かけてじっくり発酵させることで、独特の酸味と風味を生み出します。しかし、日本でスーパーなどで売られているキムチのほとんどは、実は発酵していないのです。
その理由は、日本人の味覚の好みにあります。発酵が進むとキムチは酸っぱくなりますが、この酸味が「腐っているのでは?」と感じられることがあり、特に発酵食品に慣れていない人にとっては抵抗があるようです。そのため、日本のキムチメーカーは、発酵を抑えるか、発酵後に加熱処理をして発酵を止めるなどして、酸っぱくならないようにしています。
実際、冷蔵ケースに並んでいるパッケージされたキムチの多くは、“生”ではなく“加熱済み”や“発酵抑制処理済み”と記載されていることもあり、見た目は韓国キムチに似ていても、味わいはまろやかで塩辛さ控えめ。これは、日本人の好む“やさしい味”に合わせた結果です。
もちろん、最近では本格的な発酵キムチの人気もじわじわと広がりつつあり、一部の専門店や通販では本格派のものも手に入るようになりました。それでも、一般的な市販キムチの多くは“発酵しない”仕様。その背景には、日本の食文化と消費者の感覚を丁寧に配慮した、食品メーカーの努力があるのです。
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