日本で初めてコカ・コーラを飲んだ男
日本でのコカ・コーラの歴史は、ある一人の男性のひと口から始まった。その人物こそ、日本のコカ・コーラ事業の創始者・高梨仁三郎氏だ。
1950年代、日本にアメリカ製の瓶入りコカ・コーラが初めて持ち込まれた頃、高梨氏は友人の家で開かれたパーティーで初めてこの飲み物に出会った。当時の日本では、炭酸飲料さえ珍しい時代。初めて口にしたその瞬間、彼の感想はこうだった。
「一種の薬くささを感じたが、これまでに経験したことのない味が印象的」――。甘さとシュワシュワとした炭酸、独特の香り。異文化の味に戸惑いながらも、その可能性に確かな手応えを感じたという。
その後、高梨氏は日本での製造・販売を本格的に始め、東京・多摩に工場を構えた。現在でもその工場では、見学ツアーの最後に試飲タイムが設けられ、来場者は歴史の続きを味わっている。
あの一瓶がなければ、日本の自動販売機に並ぶ無数の赤いボトルも、コンビニの冷蔵ケースも、存在しなかったかもしれない。日本のコカ・コーラ物語は、まさに「ひと口」から始まったのだ。
コメント
まだコメントはありません。最初のコメントを投稿しましょう。