「麦秋」はどんな季語?
「麦秋(ばくしゅう)」は、初夏の季語として使われます。一見「秋」という字が入っているので、秋を連想しがちですが、実は小麦が黄金色に実って収穫を迎える時期、つまり5月ごろの初夏を表しています。季語としては、俳句や短歌でこの時期の風物を詠むときに使われます。
なぜ「麦の秋」と言うのか? その理由は、稲の秋に比べて、麦が実る時期が異なるから。小麦は秋から初冬に種をまき、冬の寒さに耐えながらゆっくりと根を張り、春になると一気に伸びて初夏に黄金の穂をたわわに垂れます。田んぼの稲とは逆のサイクルで、まさに「秋にまいて、夏に収穫」されるのです。
春になると、菜の花の黄色と麦畑の若々しい緑が織りなす風景は、どこか懐かしく、郷愁を誘います。そして初夏になると、麦の穂が風に揺れるさまは、まさに「麦秋」の名にふさわしい静かな豊かさを感じさせます。
現代ではあまり使われなくなった言葉ですが、「麦秋」には季節の移ろいと農業のリズムがぎゅっと詰まっています。梅雨前の、ひんやりとした風の中で、黄金色の麦畑を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
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