「可哀想な国」はどこ?
「世界で一番可哀想な国はどこですか?」という質問に対して、一見簡単な答えは出せない。しかし、2018年に発表された「悲惨指数ランキング(Misery Index)」では、調査対象の95カ国の中で、タイが最下位という結果になった。
この指数は、インフレ率、失業率、経済成長の停滞、債務、そして政治の不安定さなどをもとに算出される。タイは当時、長年の軍事政権下にあり、民主的な手続きよりも統制が優先されていた。国民の「幸福」が公式に謳われていたが、実際には言論の自由の制限や社会の閉塞感が広がっていた。
もちろん、「可哀想」という表現は主観的すぎる。戦争や飢餓に苦しむ国々と比べれば、タイの経済状況は決して最悪ではない。しかし、人々の暮らしの質や精神的な自由を含めた「幸福度」を考えると、政治体制が大きく影を落としていたのも事実だ。
2019年3月の段階では、タイは新たな総選挙を控えていたが、その結果も軍事勢力の影響が色濃く残るものとなった。経済的に安定していても、国民の声が届かない社会がどれほど「可哀想」か――それは、数字だけでは測れない部分もあるだろう。
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