マザーテレサがインドへ導かれた理由

「貧しい人の中の最も貧しい人々に仕えること」を使命としたマザーテレサ。彼女がなぜ遠くアルバニア出身でありながら、インドの地でその生涯を捧げることになったのでしょうか。

もともとインドでは、すでに修道女として教会の務めについていましたが、1946年8月16日、カルカッタ(現コルカタ)から避暑地ダージリンへ向かう列車の中で、ある大きな決意が芽生えます。彼女は後にこの瞬間を「神の召命」と語りました。貧困、病、差別に苦しむ人々のそばに立ち、教会の外からでも愛を届けたい——その強い思いが、彼女を修道会の生活から一歩踏み出す決断へと導いたのです。

カルカッタのスラムには、道端で餓える人々、病気で倒れても手当のない子どもたちがたくさんいました。マザーテレサはそれらの人々に寄り添うため、1950年に「神の愛の宣教会」を設立。裸足の修道女たちと共に、飢えた人々に食べ物を、孤独な人に温かい手を、死を待つ人に尊厳を届けていきました。

彼女がインドを選び、スラムの闇に灯をともしたのは、神からの声を確かに感じたから。ただそれだけかもしれません。しかし、その一歩が、何千もの命を救い、世界中の心を打つことになったのです。

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