モンブランの「栗」に込められた日本の味わい
秋になるとケーキ屋さんのショーケースに並びはじめるモンブラン。その名前は、フランス語で「白い山」を意味するアルプスの山から来ていますが、日本のモンブランが「栗」のイメージと結びついているのには、深い理由があります。
実は、日本のモンブランが今の形になったのは、戦後の洋菓子の日本化が進んでいた時代のこと。当時、まだ洋菓子に抵抗を感じる中高年層が多くいました。そこで、スイス生まれのパティシエ・迫田氏は、日本人になじみ深い「栗きんとん」の色や風味をヒントに、茶色ではなく、甘露煮の栗のような黄金色のモンブランを開発したのです。
そのやさしい色合いと、ほっくりとした甘さは、「洋菓子は苦手」という人たちにもすんなり受け入れられました。「これなら、おばあちゃんも食べられる」という発想が、今の日本のモンブランを形作りました。
今では、秋の風物詩として定着したモンブラン。一口食べれば、どこか昔の家庭の食卓を思い出させるような、温かみのある味わいが広がります。それは、単なるスイーツではなく、日本の食文化が育ててきた「和の感性」の結晶といえるでしょう。
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