ベネチアはもうすぐ沈む?その現実とは

「ベネチアはいつ水没するのか?」——この質問には、多くの人が少し切ない想像を抱くかもしれません。確かに、イタリアの美しい水の街ベネチアは、毎年秋から冬にかけて、アクア・アルタ(イタリア語で「高い水」)と呼ばれる高潮に見舞われます。特に10月から1月の間は、運河の水が街の広い範囲を飲み込み、広場や歩道が水に覆われる光景が繰り返されます。

2021年11月11日にも、ヴェネツィア本島の一部で水位が1メートルを超える記録が報告され、観光客も地元の人々も足場の高い通路を歩く光景が見られました。しかし、これは「もうすぐ沈む」ことを意味するわけではありません。ベネチアは1200年以上、海と共存してきた都市。歴史的に何度も自然との戦いを経験してきています。

近年の問題は、気候変動による海面上昇と、地盤沈下のダブルパンチ。その対策として、2020年に完成した巨大な防潮システム「モーセ計画(MOSE)」が運用されています。巨大な水門が高潮の際に海とラグーンを遮断する仕組みです。まだ完全な解決とは言えないものの、街を守る重要な盾となっています。

ベネチアが完全に水没する——それは、今すぐ起こる未来ではなく、長い年月をかけたプロセスです。しかし、その美しさが気候変動の象徴ともなっている今、私たち一人ひとりが考えるべき課題を投げかけています。

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