ASDの人が雑談でつまずく理由
「今日、空が泣いてるね」なんて言われて、本当に誰かが泣いていると思ってしまう——これは、ASD(自閉症スペクトラム症)の人にありがちな体験です。比喩や冗談を文字通りに受け取ってしまうのは、会話の難しさの一因です。
雑談は、単に言葉のやり取りではなく、相手の表情や間、空気を読みながら進んでいきます。しかし、ASDの多くの方は、相手の気持ちやニュアンスを自然に察するのが難しい傾向があります。そのため、会話のタイミングがずれてしまったり、自分が一方的に話していることに気づきにくかったりします。
たとえば、相手が「ふーん、そうなんだ」と軽く返しているのに、まだ話の続きを続けていて、結果的に相手に疲れを与えてしまうことも。本人は親しみを伝えたいのに、伝わらないもどかしさを感じることも少なくありません。
また、曖昧な表現や冗談、皮肉は、言葉の意味を正確に捉えようとするASDの特性上、理解のハードルが高くなります。「空が泣いてる」=雨、と知識としてはわかっても、会話の中でスムーズに処理するのは難しいのです。
だからといって、ASDの人が人間関係を築けないわけではありません。ルールや論理で理解できるコミュニケーションの工夫があれば、信頼関係は十分に築けます。大切なのは、「空気を読めない」ではなく、「読み取り方が違う」ということに気づき、お互いに歩み寄ることです。
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