「[Ɛ]」ってどんな母音?

[ɛ]は、日本語にはあまりない発音で、英語の「bed」の最初の母音に近い音です。これを音声学では「半開前舌非円唇母音」と呼びます。ちょっと難しい名前ですが、一つずつ分解してみると、意外とシンプルです。

まず「前舌」というのは、発音のときに舌の先寄りが口の奥へ上がることを意味します。つまり、口の前の方で音を作るんです。次に「非円唇」というのは、唇を丸めないということ。つまり、[o]や[u]のように「お・う」と唇を尖らせたり引っ込めることがありません。普通に口を少し開けて、リラックスした状態で出る音です。

そして「半開」というのは、口の開き具合が「狭・半狭・半開・広」と分類された中の3番目、つまり結構広く開いた母音だけど、完全に開くわけではない、そんな中間的な位置にある音です。国際音声記号では[ɛ]と表され、母音の中でも特に明るく響く印象を与える音とされています。

たとえば、フランス語の「père」(父)やイタリア語の「pesce」(魚)にこの[ɛ]が使われています。日本語話者が聞き慣れない音なので、発音練習のときには意識して舌の前を少し上げ、唇は丸めず、口を適度に開けることがコツです。

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