臨終の際に見られる「下顎呼吸」とは

人が旅立つ直前、口を大きく開けてパクパクと呼吸をする姿を目にすることがあります。これは「下顎呼吸(かがくこきゅう)」と呼ばれる現象で、死期が近づいている典型的なサインの一つです。

普段、私たちは意識することなく肺や横隔膜を使って呼吸をしていますが、死が近づくと脳への酸素供給が減少し、通常の呼吸運動の維持が困難になります。すると、体が最期の力を振り絞り、普段は使わない首やアゴの筋肉を動かして空気を取り込もうとします。これが、息をあえぐように口を開けて行う下顎呼吸の仕組みです。

また、この時期は体内の酸素が著しく不足するため、唇や爪の先が紫色に変色するチアノーゼという症状があわせて現れることも少なくありません。

一見すると肩で息をしていて苦しそうに思えるかもしれませんが、この段階では本人の意識はすでに薄れており、痛みが伴っていないことが多いとされています。大切な人の最期の変化に戸惑うかもしれませんが、体が自然に命を締めくくろうとする静かなプロセスとして理解しておくことが大切です。

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