「お尋ねします」は本当に正しい?

日常会話やビジネスの場で敬語を使おうとすると、「お尋ねします」といった表現を使ってしまいがちですが、実はこれ、文法的に少し違和感がある言い回しです。

文化庁の『敬語の指針』にもあるように、「お尋ねください」が、相手を敬う正しい尊敬語の形です。「尋ねる」は自発的な動作なので、尊敬語として使うには「お+動詞連用形+ください」の形が自然。つまり、「お待ちください」「ご覧ください」と同じパターンです。

一方、「お尋ねします」は、まるで自分が謙譲しているかのような印象になり、相手を敬っているわけではありません。これは「謙譲語」として間違って使われている例の一つ。例えば、「私がお尋ねします」なら自分をへりくだって話す謙譲語としては成立するものの、目上の人に対して「あなたが尋ねる」ことを敬う場面では不適切です。

正しい尊敬語を使うことで、相手への配慮が伝わりやすくなります。たとえば、会議の場で「あとでご担当者にお尋ねください」と言う方が、「あとでご担当者がお尋ねします」と言うよりも、自然で丁寧な印象を与えます。

敬語は細かいようでいて、意味の取り違え一つで印象がガラリと変わるもの。よく使われる表現だからこそ、正しい形を意識して使いたいですね。

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