「為せば成る」の誤解と真実:武田信玄ではなく上杉鷹山の名言
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という有名な言葉があります。「強い意志を持って行動すれば必ず達成できる」という教訓として、現代でも座右の銘に挙げる人が少なくありません。この名言について、しばしば戦国時代の名将・武田信玄のものと勘違いされることがありますが、実はそれは誤りです。
この言葉を遺したのは、江戸時代中期の米沢藩(現在の山形県)藩主である上杉鷹山(うえすぎようざん)です。当時の米沢藩は莫大な借金を抱え、破産寸前の危機的状況にありました。そんな中、若くして藩主となった鷹山は、絶望する家臣たちを奮い立たせ、自ら質素倹約を実践して藩政改革に乗り出しました。この名言は、彼が困難な改革に挑む家臣たちに向けて送った心のこもったエールなのです。
では、なぜ武田信玄の言葉だと誤解されるのでしょうか。一説には、上杉鷹山が武田信玄の「なせば成る なさねば成らぬ 成る業を 成らぬと捨つる 人のはかなさ」という歌を参考にしてアレンジしたからだとも言われています。しかし、歴史的な記録として広く知られ、人々の心を動かしてきたのは、やはり上杉鷹山が覚悟を持って放った言葉です。
「成らぬは人の為さぬなりけり(結果が出ないのは、人が行動を起こさないからだ)」。何か新しいことに挑戦するときや、壁にぶつかったとき、この鷹山の言葉は今も私たちの背中を力強く押してくれます。
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