はじめに:石器時代の人の背の高さ、気になりませんか?
「昔の人=現代人よりもずっと背が小さかった」というイメージを持っていませんか?
人類がまだ金属器を持たず、打製石器などを主な道具として使っていた「石器時代(日本でいえば旧石器時代や縄文時代)」。過酷な自然環境を生き抜いた彼らの平均身長は、一体どのくらいだったのでしょうか?
この記事の「第一部」では、発掘された人骨のデータをもとに、石器時代を生きた人々の驚きの平均身長と、当時の体格に隠された秘密に迫ります。
1. 日本の石器時代(縄文時代)の平均身長
日本の歴史において、石器時代を広く包含する代表的な時代といえば「縄文時代」です。狩猟や採集を中心とした生活を送っていた縄文人の体格は、近年の人類学的な研究によってかなり詳しく判明しています。
縄文人の推定平均身長
男性:約 157cm 〜 158cm
女性:約 147cm 〜 149cm
数値だけを見ると、「やっぱり現代の私たちよりもかなり低いじゃないか」と感じるかもしれません。現在の日本人男性の平均身長が約171cmであることを考えると、確かに小柄に見えます。
しかし、ここで注目すべきなのは「歴史上の他の時代との比較」です。
2. 実は現代より高かった? 江戸時代との意外な関係
歴史の授業や時代劇を見ていると、昔の人はもっと小さかったという印象を受けがちです。ところが、日本の歴史において平均身長が最も低かったのは、石器時代(縄文時代)ではありません。
興味深い歴史の事実 意外なことに、日本の歴史上で平均身長が最も低かったのは、農耕社会が成熟し、食生活が米を中心とした炭水化物に偏りがちになった江戸時代などだと言われています。江戸時代の男性の平均身長は、時期や地域によっては155cm前後、あるいはそれ以下だったとも推定されています。
それに比べると、縄文時代の男性(約158cm)のほうが、江戸時代の人々よりも平均して背が高かったのです。なぜ、石器時代の人々はそれなりの体格を維持できたのでしょうか? その最大の理由は、彼らの日々の「食生活」に隠されています。
3. 頑丈な体を作った「石器時代の食生活」とライフスタイル
石器時代の人々は、決して栄養不足でひ弱だったわけではありません。むしろ、彼らの体格や骨格を調べると、非常に頑丈で筋肉質な体つきをしていたことが分かっています。
豊富なタンパク質: 彼らは弓矢や石器を駆使して、シカやイノシシなどの大型・中型獣を狩猟していました。また、海沿いの地域では貝類や魚介類、クジラなども貴重なタンパク源として食べていました。
多様な栄養摂取: 肉だけでなく、木の実(ドングリやクルミなど)や山菜などをバランスよく採取し、野生の恵みをダイレクトに身体り入れていました。
毎日何キロもの山道を歩き、重い獲物を追いかけ、全身を使って生活していたため、骨自体が太く発達し、しっかりとした体格が作られたと考えられています。
次回の「第二部」では、日本だけでなく世界の旧石器・新石器時代人の身長データや、時代が進むにつれて(弥生時代以降)身長がどのように変化していったのかの謎にさらに深く迫ります。
3. なぜ身長に変化が起きたのか?(仕組みと栄養環境)
石器時代から現代にかけて、人間の平均身長が一本調子で伸びてきたわけではありません。実は、時代や環境の変化によって「縮む」現象も起きています。その鍵を握るのが、食生活の変化と栄養状態です。
豊富なタンパク質: 狩猟採集を中心としていた旧石器時代は、大型動物などの良質なタンパク質や脂質を豊富に摂取できていました。
農耕による偏り: その後の新石器時代や縄文時代後期などでは、定住化と農耕の始まりにより炭水化物が主食となり、栄養バランスが偏ることで一時的に平均身長が低くなったケースも報告されています。
このように、骨の成長は「どれだけ質の高いタンパク質やカルシウムを成長期に摂れたか」に強く影響されます。
4. 具体例から見る古代人のライフスタイル
世界各地に残る化石や人骨のデータを見ると、地域ごとの面白い特徴が浮かび上がります。
【ポイント:食環境と体格の関係】
ヨーロッパの旧石器人: 寒冷な気候に適応するため、体幹が太く筋肉質で、頑強な体つきをしていました。
アジアの事例: 地域や年代によって異なりますが、狩猟を中心としていたグループは、のちの農耕社会の初期グループに比べてしっかりとした体格を維持していたことが分かっています。
まとめ
石器時代の平均身長は、決して現代と比べて極端に小さかったわけではありません。むしろ、大自然を生き抜くために必要な筋肉と骨格を備えていました。私たちが日頃口にする栄養やライフスタイルが、いかに身体の成長に直結しているかを、古代の歴史は教えてくれます。
古代人の体格や当時の食生活について、さらに詳しく知りたいポイントはありますか?
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