血圧を測ったときに「138」という数値が出ると、「これって正常なのだろうか」「高血圧なのだろうか」と不安になりますよね。健康診断や自宅での測定でこの数値を見て、検索された方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、血圧が 138 mmHg という数値は、医学的な分類において「正常高値血圧(せいじょうこうちけつあつ)」、あるいは日本の学会基準(JSH2019)では「高値血圧(こうちけつあつ)」、国際的な基準やアメリカの分類では「高血圧ステージ1」の領域に該当します。つまり、今すぐ入院するような危険な数値ではないものの、「将来の高血圧や生活習慣病予備軍」として注意深く見守る必要がある境界線上にある数値です。

このセクションでは、血圧138という数値が持つ本当の意味や、私たちの体の中で何が起きているのかを専門的な視点から分かりやすく解説していきます。

血圧の分類と「138」の位置づけ

日本の高血圧治療ガイドライン(JSH2019)では、大人の血圧は以下のように分類されています。

  • 正常血圧: 上(収縮期)120未満 かつ 下(拡張期)80未満

  • 正常高値血圧: 上 120〜129 かつ 下 80未満

  • 高値血圧(旧:正常高値血圧の一部): 上 130〜139 または 下 85〜89

  • I度高血圧: 上 140〜159 または 下 90〜99

  • II度高血圧: 上 160〜159以上 または 下 100以上

ご自身の測定値である「138」は、上の血圧(収縮期血圧)が「130〜139」の枠にしっかり収まっており、まさに高値血圧のゾーンです。基準値である140未満にはギリギリ収まっていますが、油断はできない状態と言えます。

なぜ「138」が要注意なのか?

「140未満ならセーフなのでは?」と思われがちですが、近年の医学研究では、血圧が130を超えたあたりから、脳卒中や心筋梗塞といった動脈硬化性の病気のリスクが少しずつ高まり始めることが分かっています。

血管は全身に血液を送るホースのような役割をしていますが、血圧が常に高めの状態(138など)が続くと、血管の壁に強い圧力がかかり続け、次のような変化が起きやすくなります。

  1. 血管の弾力性が失われる(硬化): ホースに例えると、古くなってカチカチに硬くなった状態になり、しなやかさが失われます。

  2. 血管の内側が傷つく: 高い圧によって内皮細胞がダメージを受け、コレステロールなどが溜まりやすい環境が作られます。

  3. 心臓への負担増大: 押し出す力がより必要になるため、心臓の筋肉が分厚くなったり、疲労しやすくなったりします。

一度だけの測定で判断していませんか?

血圧は、その日の体調、ストレス、気温、測定するタイミングによって大きく変動します。以下のような状況で測った「138」であれば、それほど深刻に心配する必要はないケースもあります。

  • 測る直前に走ったり、階段を上ったりした

  • カフェインやアルコールを摂取した直後だった

  • 仕事のプレッシャーやイライラなど、強いストレスを感じていた

  • いわゆる「白衣高血圧(病院や健診の場で緊張して血圧が上がってしまう現象)」である

そのため、まずは「朝と夜、リラックスした状態で毎日測る(家庭血圧の測定)」ことが何よりも重要です。家庭での血圧測定値が、病院などの医療機関で測る値よりも低い場合(目安として家庭で135/85mmHg未満)、まずは一安心と言えますが、家庭でも常に135を超えてくる場合は生活習慣の見直しが必要になってきます。

次のステップに向けて

血圧138という数字は、いわば体からの「黄色信号(または丁寧な注意喚起)」です。「まだ140未満だから大丈夫」と放置するのではなく、「今のうちに生活習慣を整えて、120台に戻そう」と前向きに対策を始める絶好のチャンスと捉えましょう。

次回の記事(第2部)では、この「138」という数値を自宅で効果的に下げるための食事、運動、睡眠などの具体的なセルフケア方法について詳しく解説していきます。

この解説について、さらに詳しく知りたいポイント(食事や運動の具体的な方法など)はありますか?