カドミウム過剰症の症状とイタイイタ病
カドミウムは工業的に広く使われる金属ですが、人体には有害です。長期間にわたりカドミウムを過剰に摂取すると、「カドミウム中毒」と呼ばれる健康被害が起こります。特に有名なのは、富山県で過去に発生した「イタイイタ病」です。名前の由来は、痛みに耐えかねて「痛い、痛い」と叫ぶ患者が多くいたことからきています。
主な症状として、まず腎臓の機能障害があらわれます。カドミウムは腎臓に長年蓄積され、たんぱく尿や尿中の糖の増加といった異常を引き起こします。これが進行すると、カルシウムの排泄が増えて骨がもろくなる、いわゆる骨軟化症になりやすいです。そのため、わずかな衝撃でも骨折しやすく、腰痛や背骨の変形に苦しむ人もいます。
さらに、カドミウムは赤血球の生成にも悪影響を及ぼし、貧血を引き起こすことがあります。体がだるかったり、顔色が悪くなるなどの症状も現れます。こうした問題は、一朝一夕に起きるのではなく、何年もかけて徐々に進行するのが特徴です。
現代では、環境規制が強化され、こうした深刻な中毒症はめったに見られなくなりました。しかし、汚染された水や土壌、あるいは一部のサプリメントなどからカドミウムが摂取されるリスクはまだ存在します。日頃から食品の出所に注意し、バランスの取れた食事を心がけることが、予防の第一歩です。
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