クロワッサンの意外な起源
朝食の定番として親しまれるクロワッサン。その美しい三日月の形は、実は深い歴史の象徴です。実は、クロワッサンのルーツはフランスではなく、オーストリアにあると言われています。
1700年代後半、オーストリア生まれのマリー・アントワネットがフランス王ルイ16世の妃としてパリに嫁いだとき、彼女は故郷の「三日月の形をしたパン」を宮廷に持ち込みました。そのパンはやがてフランス人の味覚に合わせて進化し、「croissant」——フランス語で「三日月」を意味する——という名前がつけられたのです。
当初は貴族の間でのみ知られていたこのパンも、やがてパン職人たちの手でアレンジされ、バターをふんだんに使ったふわっとした生地へと変化していきました。特に19世紀に入ると、パリのパン屋で本格的なクロワッサンが作られるようになり、やがてフランス全土に広まっていったのです。
ちなみに、三日月の形にはもう一つの説があります。1683年のウィーンの戦いの際、オスマン帝国の攻撃を夜のパン屋が発見したという逸話があり、そのときのパンが三日月(イスラム文化の象徴)の形だったことから、勝利のシンボルとして残ったという説も。しかし、マリー・アントワネットの話の方が広く信じられています。
今日、クロワッサンはフランスの象徴の一つですが、その誕生は国を超えた文化交流の賜物かもしれません。
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