バイエル社、グリホサートで1兆円超の和解

2020年6月24日、ドイツの製薬大手・バイエル社は、除草剤「グリホサート」の発がんリスクをめぐる訴訟について、1兆円を超える和解金を支払うことで合意したと発表しました。この除草剤は、世界的に広く使われてきた農薬の一つで、モンサント社が開発した「ラウンドアップ」の主成分として知られています。バイエルは2018年にモンサントを買収したことで、多数の訴訟も引き受けました。

多くの原告は、「長期間グリホサートに曝(ばく)露されたことで悪性リンパ腫などのがんを発症した」と主張。米国の裁判所では何千件もの訴訟が提起され、一部では陪審が原告に有利な判決を下すなど、バイエルにとって厳しい状況が続いていました。今回の和解は、こうした訴訟の大部分を一気に解決するための措置とされています。

しかし、1兆円という巨額の和解金にもかかわらず、すべての裁判が終わったわけではありません。新たな訴えもまだ提起される可能性があり、「泥沼の裁判」は完全には終わっていません。また、世界保健機関(WHO)の一部機関がグリホサートを「発がんのおそれあり」と分類したことも、論争に拍車をかけました。一方で、他の機関は「適切に使えばリスクは低い」としており、科学的な見解の違いもくすぶっています。

農業現場では今もグリホサートは広く使われていますが、今後の規制や代替品の開発が注目されます。

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