故人の預金を下ろすのは違法? 家族なら問題ない?
親や配偶者が亡くなった後、葬儀代や生活費のため、口座からお金を下ろした経験がある人もいるかもしれません。実は、故人の預金を家族が下ろしたとしても、窃盗罪や横領罪にはならない場合が多いのです。
これは「親族相盗例」と呼ばれる刑法の特例によるものです。刑法第244条には、「配偶者、親族間の物の窃取は、刑に問わない」と規定されています。つまり、「家庭内のことには法が介入しない」という伝統的な考え方が背景にあり、家族間での財産の取り合いを犯罪にまでしないという配慮です。
ただし、注意が必要なのは、この特例はあくまで「相続手続き中」や「相続人の正当な利益のため」に限られるということ。故人の死を隠して不正に引き出した場合や、相続関係者全員の合意なく巨額を勝手に使った場合は、民事トラブルや信頼関係の崩壊につながる可能性があります。
実際には、銀行が故人の死亡を知った時点で口座は凍結されることが多く、名義変更や相続手続きが必要になります。そのため、早めに遺産分割協議を行い、必要な書類をそろえて手続きを進めるのが望ましいでしょう。
法律上は罪にならないとはいえ、家族間の信頼を守るためにも、透明性を持って行動することが大切です。遺産問題で後々揉めないよう、話し合いを大切にしたいものです。
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