漢字を廃止した国とは
現在、漢字を公用文書や教育で広く使っている国は、日本を除いてほとんど存在しません。特に朝鮮半島とベトナムでは、かつて漢字が重要な役割を果たしていましたが、20世紀以降、それぞれの国で漢字の使用が大きく減り、事実上廃止されたと言ってよい状況です。
韓国と北朝鮮では、20世紀半ばにかけてハングルの普及が国策として進められました。特に韓国では、1948年のハングル専用法以降、学校教育や新聞、公文書から漢字が徐々に排除されていきました。現在の韓国では、日常生活で漢字を使う場面は非常に少なく、若者の漢字読み書き能力も大幅に低下しています。北朝鮮に至っては、ほぼ完全に漢字が使われなくなっています。
ベトナムも同様です。かつては中国の影響で漢字が公用文字でしたが、19世紀にフランスの植民地となり、ラテン文字による「クオック・グー(国語字)」が広まりました。1945年のベトナム独立後、ホー・チ・ミン政権は国民の識字率向上のため、クオック・グーを公用文字として全面的に導入。これにより、漢字は事実上、歴史の一部となりました。
一方、日本では今も漢字が日常生活の根幹を支えています。新聞や教科書、看板など至る所に漢字が使われており、漢字文化の最後の砦とも言えるでしょう。他の漢字圏の国々が表記を変えていった背景には、民族意識の高まりや教育の民主化という大きな流れがありました。その点を踏まえると、日本の漢字存続は、非常に特異な現象だと言えるかもしれません。
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