なぜ耳垢が「ねっとり」するの?その仕組みと原因を徹底解説【前編】

「綿棒で耳掃除をしたら、なんだかベタベタ・ねっとりした耳垢がついてきた…」 「まわりはカサカサした乾燥タイプの人が多いのに、自分だけどうして?」

このように、ご自身の耳垢の性質について疑問や少しの不安を感じたことはありませんか?日本の耳垢は一般的にカサカサとした乾燥タイプが多いと言われていますが、なかにはキャラメルのようにねっとりとした「湿性耳垢」の方もいらっしゃいます。

この記事では、耳垢がねっとりしてしまう根本的な原因や体の仕組みについて、分かりやすく解説していきます。

1. 耳垢が「ねっとり」する最大の理由は汗腺のタイプ

私たちの耳の穴(外耳道)の内側には、分泌物を出す「汗腺」が存在しています。人間の体に備わる汗腺には、大きく分けて「エクリン腺」「アポクリン腺」の2種類がありますが、耳垢の乾湿を左右するのは主に後者の「アポクリン腺」です。

  • カサカサ耳垢(乾性)の方: 外耳道にあるアポクリン腺の数が少ない、またはほとんどないタイプです。分泌物が少ないため、ホコリなどと混ざっても乾燥した粉状やカサカサした状態になりやすくなります。

  • ねっとり耳垢(湿性)の方: 外耳道にアポクリン腺が多く存在しているタイプです。アポクリン腺から分泌される汗には、タンパク質や脂質、アンモニアなどが含まれており、少し粘り気があります。これが耳の中の皮脂や古い角質と混ざり合うことで、ベタベタ・ねっとりとした質感の耳垢を作り出します。

つまり、耳垢がねっとりしているのは、耳の穴の中にあるアポクリン腺の活動が活発で、分泌物が多い証拠なのです。

2. 生まれ持った「遺伝」が大きく関係している

「どうして自分だけアポクリン腺が多いのだろう?」と疑問に思うかもしれませんが、これは後天的な生活習慣や汚れによるものではありません。

実は、耳垢が「ねっとり」か「カサカサ」かは、遺伝子(ABCC11遺伝子など)によって生まれたときから決まっています。 アポクリン腺の数や体質は一生を通じて変わることはほとんどないため、「大人になってから急に体質が変わって耳垢がねっとりになった」という場合は、後述する一時的な炎症や耳のトラブルが起きている可能性が考えられます。

普段何気なく掃除している耳垢ですが、その状態には一人ひとりの身体の個性や遺伝的なルーツが深く関わっています。後編では、ねっとり耳垢と体臭の関係や、正しい耳掃除のケア方法について詳しく見ていきましょう。

💡 今日のポイント 耳垢がねっとりしているのは病気などではなく、耳の中にあるアポクリン腺の多さや遺伝的によるものです。恥ずかしがったり心配したりする必要はまったくありません。

ご自身の耳垢のタイプについて、これまで何か気になったりケアで工夫されていることはありますか?

正しいケアと付き合い方

湿性耳垢の上手な掃除テクニック

ねっとりとした湿性耳垢は、乾いた耳垢のようにポロポロと書き出すことができません。綿棒の使いすぎは、かえって耳垢を奥へ押し込んでしまう原因になります。耳の入口付近を優しく拭き取る程度にとどめ、無理に掻き出さないことが大切なポイントです。

耳鼻科を受診するサイン

「急に耳が詰まった感じがする」「聞こえにくくなった」という場合は、耳垢が中で詰まる耳垢栓塞(じこうせんそく)を起こしている可能性があります。また、強い痛みや耳だれを伴うときは、外耳道炎などのトラブルが隠れていることも。自己判断せず、耳鼻咽喉科で安全に取り除いてもらいましょう。

Expert Advice: ねっとり耳垢は生まれ持った自然な体質です。過度に心配する必要はないため、正しい頻度で優しくケアを行い、すこやかな耳の状態を保ちましょう。

普段、ご自身の耳掃除はどのような道具を使ってどのくらいの頻度で行っていますか?