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奈良時代の末期、平城京は仏教勢力の肥大化という深刻な癌細胞に蝕まれていた。僧侶たちが政治の中枢にまで魔手を伸ばし、国家の統治機構が揺るがされる中、若き桓武天皇は一大決心を下す。腐敗した旧都を捨て、全くまっさらな土地で新しい政権を立ち上げる——それが全ての始まりだった。
選ばれたのは、山背国(のちに山城国)に広がる京都盆地。東西を山に囲まれ、淀川水系が網の目のように走るこの地は、単なる隠れ場所ではなかった。物資の流通を握る水運の要衝であり、さらに中国から伝来した「四神相応」の思想を完璧に満たす、国家防衛の要塞でもあったのだ。
歴史の歯車が大きく回り始めた瞬間、そこにあったのは偶然ではない。緻密な計算と、時代の閉塞感を打破しようとする執念だった。
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